色無地について

色無地 御仕立

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お着物を御作りになられる際、最初は御仕立寸法が難しいと思います。

 

初めての御仕立ですと身長とヒップ・バストからおおよその標準的な寸法が計算されます。

先ずは、身丈・裄丈・肩巾・袖巾・袖丈・繰越・前巾・後巾を覚えると良いでしょうか。(もちろん、全ての箇所を細かく調整するのが一番ですが、)

 

鯨尺

最初に面食らうのが寸法の単位ですね。私も、はじめはギリギリ曲尺(尺=30.3cm)は知ってましたが、鯨尺(くじらじゃく、げいじゃく)は知りませんでした。参考まで下のような感じです。

鯨尺=メートル×2.64
160cm×2.64=422.4 4尺2寸2分

メートル=鯨尺×0.3787
4尺2寸2分4×0.3787=159.9cm

お店ではメートル法でお伝えくださいまして問題ございません。鯨尺で言うとお着物作っている感じが楽しめるかもしれませんね。

身丈

身丈は、表地の衿の付け根から裾までの長さです。標準的には、背からの寸法で身長と同寸になることが多いです。

お好みで帯を締める位置が低い場合は、短め。高い場合は長めにします。年配の方が結城紬や大島紬などのカジュアルなものを着られる場合、身長と同寸では少し長いという感じです。一方、若い方や身長の高い方の場合は、身長より少し長くしても良いです。

「背から」の寸法と「肩から」の寸法があります。上の画像でも背中心の身丈と肩から裾までの長さが違います。繰越と付込という衿を抜くために後にずらす分、「背から」の身丈は繰越と付込分、「肩から」の寸法より短くなります。

「肩からの身丈」-「背からの身丈」=繰越+付込

裄丈

着物を着たときの背中心から袖端までの寸法です。基本的には、実寸で測るのが良いのですが、おおよその計算式は、「身長×0.4+2cm」。

採寸は下記の画像の通り。左の腕を水平にするのは、紬などの場合。
右の写真は、ななめ45度でゆったり手首が隠れるくらいのフォーマル着の測り方です。

裄は、肩幅と袖幅の2つに分かれます。

裄丈=袖巾+肩巾

下にお召しになられる長襦袢と寸法を合わせた方が綺麗に着れます。

また、細身で腕が長い人は、肩巾を袖巾より狭く作ると脇のだぶつきを抑えられますが、極端に肩巾を狭くするとお着物自体の形状が美しくなくなるのでご注意、生地巾の制約もありますので、和裁士のアドバイスを聞いて程々が良いです。

袖丈

現在は、袖丈は、49.3cm(1尺3寸)で作ることが多いですが、身長の高い方は3分の1の長さを基準で検討なさっても良いです。

身長にあわせて、バランスの良い袖丈で作りたいですね。

繰越

衿の抜け具合を決める寸法です。色無地は5分~7分が標準値ですが、最近はゆったり着れる7分が多いです。

身幅

身体の最も太いヒップ寸法より割り出します。「ゆったり着たい」「タイトに着たい」「太るかも知れないので少し余裕をもって」「茶席用に前巾広く」など要望を伝えるといいです。

気を付ける事

和裁士や店によって体のサイズに対して寸法が変わることを理解しましょう。何を重視しているかによって微妙に違う場合がございます。

1、単純に標準寸法で御仕立
2、すっきりとスマートに綺麗に見えるように御仕立
3、ややゆったりめな御仕立

最近は、全体に2番の傾向が強いでしょうか。反対に昔の着物は3番のゆったりめような事が多いです。寸法に違いが表れますがどちらが間違いということではありませんので、ご理解下さい。

みやこさかえの和裁士は、若干2番寄りですね。あまり、極端にスマートに見えるように振れてしまっても体型の変化で着にくくなりますし、あまりにゆったりも痩せた場合、おかしなことになりますので程々な感じです。

もちろん、ご指定いただきました通りの寸法に御仕立します。お持ちの着物が着やすい場合は、お送り下さいましたら、その通り忠実に御仕立しています。

色無地

 

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