当たり前のことですが、色無地で絹糸の品質は重要な要素です。
色無地は、誤魔化しがききませんので、特に気を付けます。
美味しいお肉は、良い塩をちょっと付けて食べるのが一番おいしい。そうでないお肉は、色々、付け込んで味付けして誤魔化す。
できれば、色無地の素材も塩を少し付けるだけで美味しい素材である事を心がけています。
絹の主要生産地は、中国、インド、この2か国で世界の9割以上を生産しています。他にウズベキスタン、日本、ブラジル、タイ、ベトナムと続きます。お着物で使えるのは、中国産、ブラジル産、日本産。クオリティが落ちてタイ、ベトナム。
品質に関しては、絹は、農産物ですので、その時その時の出来不出来があります。そうするときっちりと管理されて生産量の多い中国産が安定的に良い品質のものが多い傾向にあります。ただし近年、中国は生活水準の向上から中国糸が高騰傾向にありますので、絹の主要産地は、数十年かけて変わっていくのかもしれません。生産地については、こだわりなく、その時の良いクオリティのものを使用するのが良いと考えます。
絹の等級は2A、3A、4A、5A、6A。お着物やブランドもののスカーフに使われる品質の高い5A、6Aは生産量全体の10%未満。さらに6Aは1%未満。糸の均質性、毛羽の少なさ、強度、伸長度、不純物の少なさ、節の多さ等の検査により判定されます。
その6A糸の中でも、雄繭から採れる良質の糸が「特選6A糸」
卵を産まない雄繭は身体にあるたんぱく質を全て糸にする為、 丈夫で長い糸を多く生産すると言われていました。繊細で艶が良い糸なんです。
ですが蚕の雄と雌を選び分ける事は困難でできないと考えられていました。しかし現代の研究・技術進化により出来るようになるんです。頭の良い人が凄い努力をされたのでしょう。
品質検査の数値は、以下の通りです。
《繊度偏差》糸の太さのバラつきの数値です。
特選6A糸:0.96
6A糸:1.45以下
非常に均質でバラつきの無い数値でございます。
《節点》(フシの多さ。100が全く無い状態)
大節 特選6A糸:99.1 6A糸:98以上
小節 特選6A糸:95.6 6A糸:95以上
《断裂強度》 4.21
《断裂伸長度》 23.4
光沢があり、非常にしなやかで柔軟性の高い数値となっております。
通常の6Aでもかなりのものなんですが、すごいです。
それで、この特殊な素材を用いて、どのような生地を織ろうか?色々、考えに考えた 結果、真っ直ぐ直球で勝負と考え非常にオーソドックスな地模様を選択しました。下の画像の生地です。
発色、着心地が非常によく。また強度に優れておりますので、流行り廃りのない親子3代でも御召しいただけるものをとおもいました。
良い生地ですので、この糸が作られる限り、織り続けて行こうと思います。
特選6A絹 桐竹鳳凰文 ⇒こちら
特選6A絹 四季草花文 ⇒こちら
色無地 みやこさかえ